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ぼくが「舊假名」を使ふ理由2

前囘のに補足。「えー」と「おー」の振る舞ひは非對稱的なんですね。この前關西音韻論研究會でも關聯する話がでました。
ぼくが氣付いたのはローマ字表記に反映された「えー」と「おー」の非對稱性です。訓令式で行きますが、「俊太郎」と「敬介」のローマ字表記、四通り考へられますが、どれを取りますか。ぼくの判斷は:

「俊太郎」 syuntaroo, syuntaro, syuntaro^, ?syuntarou
「敬介」*keesuke, *kesuke, ?ke^suke, keisuke

「?」は少しへんだが見たことがある。「*」はへんだし見たこともない。かなり稀だと思ひます。「敬介」の「敬」の字の讀みの母音が /ei/ (一音節二拍)であるといふ意識の反映だと思ふんです。漢字音の「エー」と「オー」のローマ字表記を鐵道會社で見てみませう。

「えい」(ei): 京阪 (keihan)叡電 (eiden)京福 (keifuku)京成 (keisei) 西武 (seibu)
「おう」(o): 東急 (tokyu)東武 (tobu)東京メトロ (tokyo metro)東葉高速 (toyo kosoku)
「えい」(ei)、「おう」(o): 京王 (keio)

かういつた具合で「えい」が (ei) なのに「おう」は (o) です。

ただし、そもそも正書法がローマ字で行はれる言語からの影響も考へなければいけません。英語では文字 (e) は二重母音を表はしませんが (o) は二重母音を表はすばあひがあります。もしかしたら關係あるかもしれない。

さて、「エー」と「オー」が對稱的な關係にあるとすれば「オー」にも對應する三つのバージョンが豫想されます。

/e:/, /ei/, /e.i/
/o:/, /ou/, /o.u/

ぼくは後者の「オー」の三對立は「エー」ほどはつきり出ないやうな印象を持つてゐます。「舊假名」では區別するんですが。

1. 大きい: オホキイ、 氷: コホリ
2. 應用: オウヨウ、公立: コウリツ
3. 追ふ: オフ、圍ふ: カコフ

強ひて言へば 1. と 2. がより近い。3. が若干違ふ。ちなみに新假名では 1. 對 2. 3. が異なる書き方になります。といふことで、やはりぼくの感覺には合ひません。

今囘はあまり「舊假名」を使ふ理由にならなかつたかもしれませんね。

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