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虎食人

「相手が魅惑的であるから助平根性を唆られる」のか、それとも「助平根性を懷いてゐるから相手が魅惑的に見える」のか、これは見解の一大相違である。 (廣松渉『表情』p23-24より、表記の改めあり)
火曜日、殷周青銅器熱が急にまた高まつてきて、ゐてもたつてもゐられなくなつたので泉屋博古館に行つてきた。見てゐるだけで幸せ。自然と笑みがこぼれ、動悸がはやくなつたかと思ふと、うまく呼吸が整へられなくなつて、靜かに息を吸つたり吐いたりするのだけれど、やがて溜め息が洩れる。雷文を追つてゆくと前景と背景は逆轉し饕餮が泛かんでくる。顏、顏、顏。全體のバランスがまたいい。さうして覗き込むとまたお茶目なことに文字があつたりする。その文字は我われの慣れた正四角形のますめにはをさまらないやうな遊び具合だ。

どきつとした場面: 亞丙の銘。
くすつとした場面: 虎の鼻と口の間。
今まで氣付かなかつたいいところ: 象文。
思はず口にした呪文: 子々孫々永寶。
もう欲しくてたまらない: 華奢な觚、稜の張つた尊。

なかなか逢へないから初期の戀愛の症状がいつまでも續くのか。
情熱をぶつけても意地惡く冷たいやうなのはかへつてぼくに氣がある證據なのだ。

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コメント

青銅器に助平根性ってなかなか懷けませんよねえ。助平って奧が深いんだなあ、うん。私ももっと精進しなくちゃ。

投稿: nag yuk | 2005/04/23 01:37

奧深いよー。
助平は地球を救ふよー。

投稿: glmai | 2005/04/27 01:48

泉屋博古館行ってみます。
あんまり素敵だったので、
マネをして土粘土で作ってみます。

投稿: さくら | 2005/04/27 17:03

> さくらさん

泉屋はいいですよー。
普段は寫眞集で心を滿たしてゐるのですが、ほんものはやはりいいです。
白鶴や出光もいい青銅器をもつてゐます。
けどぼくは泉屋がいちおしだなあ。
ものがいいのに加へて訪問する人が少ない。
殷周の青銅器は私立の美術館ですね。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/15/020/99/81/sisetu/hakuturu-m.html
http://www.idemitsu.co.jp/museum/

投稿: glmai | 2005/04/27 23:36

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